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第38話 キャッ!!

last update تاريخ النشر: 2025-06-16 12:05:34

 この場所は人は来る。来るのにあの人の姿は見つけられない。私はアノ人を待っている。

 だけど、いくら待ってもあの人は来ない。

 だから寂しくなる。

 ここには寂しい感情しかない。感情がわくのはその事だけ。側に、誰か側にいて欲しい。

 私はそれを願うだけ。

 できる事ならあの人にいて欲しい……。

 でもそれは叶わない。

 わたしはもう存在していないから。

 この場所から動けないから。だからこの場所で思い続ける。でも来ないから私は見つける。私と一緒に過ごしてくれるような。

 優しい人。

 そんな人を私は探し続ける。

 この深い寂しい場所で。

――あの時、俺は聞き逃さなかったぞ伊織……。

「はぁぁ~~」

 体の奥から為にたまった息を吐くように大きなため息が漏れる。

 自分の部屋の椅子に腰を下ろして珍しく机に向かって勉強している俺だけど、まるっきり集中で
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     もうすぐ雪が降り始めるかのように、どんよりとした灰色の雲が空を覆い、時折漏れる吐息が白い煙のように立ち上る朝。  俺と伊織、そして婆ちゃんと爺ちゃん達と共にまた大社へと赴いていた。前日まではその麓にあるキャンプ場にて一泊し、次の日の早朝から長い階段を登り始めたのだけど、朝が早いという事と思った以上に冷気が空から降りてきている影響で、俺は体を動かすのがやっとというような有様。「ねぇ!! あそこに何かいるわよ!!」「もう!! 静かに昇りなさいよ夢乃!!」「えぇ~いいじゃん!! ようやくこうして皆でちょーじょーにある大佐様? のところへいけるようになったんだもん!!」 俺達一行の後を追うように、研究会の皆が石段を登ってきている。その中でも相馬さんが一番元気がいい。 キャンプ場での手伝いなどがあり、早朝からの仕事などもあるため、割と朝早い時間に目覚めるという事は慣れていると胸を張って言い切っていただけの事は有る。「色々違ってますよ相馬さん」「そねぇ……。まずは大佐様ではなく大社ですしぃ、向かって行くのはその大社ではなく柏木様のところですよぉ?」 運動することは苦手なので階段を登るのに苦労するかもなんて、少し苦笑いしつつ昇り始めた市川姉妹だったけど、ここまでは特に疲れなどの変化は見られない。「柏木様って伊織ちゃん!?」「え!? は、はい!! なんでしょうか!?」――柏木様ってそうじゃないよ相馬さん。まぁ確かに伊織は元柏木さんだけどね。伊織も今は藤堂さんなわけだから返事をするんじゃない!! などと心の中でツッコミを入れるが、俺は既にここ何度目かの階段上りとなっているので、飽きているというのと朝早いのとが合わさって言葉にする元気もない。 そうなのだ。俺と伊織はここ最近土日になると婆ちゃんの所へと行っていたというのはもちろんだけど、大社周りをかたづけたり、更に元に戻す事や掃除などをする為に何度か大社へと足を運んでいる。 初めは体力があったの

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  • 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!   第154話 と、特別だからね!!

    「どうしたのシンジ君!?」 一緒にいたカレンが俺と伊織の変化を素早く察知したようで、俺たちの後ろへと大野くんたちを連れながら移動を開始する。「そこに……いるんだよ」「そこに? まさか既に入り口に居るの!?」「そう……」 俺と伊織は前後にだけど、少し左右に分かれて入り口の前に立った。何かあった場合はすぐにでも回避できるようにとの、安全のための行動。伊織とは何も言葉を交わしたわけじゃない

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     ドアを勢いよく開けて入って来たカレン。その手にはまだケータイ通話中のまま握られているようで、その向こうから小さな声が聞こえてきている。「相談が有るんだけど!!」「お、おう?」「良いかな? 聞いてあげて欲しいだけど!!」「えぇ~っと……相手は誰? ちゃんと許可はとったのか?」「あ!!」 そういうと許可はとっていなかったみたいで、ケータイの話し相手にぺこぺこと頭を下げながら、許可をとり始める。

  • 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!   第151話 すべてが悪い事じゃないと思う

     苦笑いを返しながら大野君はその質問に答え始める。「はい。友達6人と共にその家に行ったんです。時間は確か夕方位だったかな? それで、門をくぐって敷地の中に入ったんですけど、そこで小さな……当時の僕らと同じくらいの女の子が視えました。でも……そのあとすぐに記憶が無くなって、気が付いたら両親に抱きつかれたまま病院のベッドの上に居ました」「…………」 俺は返事することが出来ないでいた。実の

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